BBS

東京FMの番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと」の中に

 

BBS「birth before songs」というコーナーがあります。
(これ、英語だとsongs bifore birhtで順番逆さですよね?)

 

誰かにとっての懐かしい曲は、誰かにとっての新曲。ということで、自身が産まれる前の曲をリクエストするコーナーです。
私が投稿するとしたら・・・・・山口百恵秋桜でしょうか。
この楽曲は1977年10月に発売された、言わずと知れた名曲です。
娘と母の結婚直前のシーンを歌ったこの曲が私は好きです。
正確には最近好きになりました。


この秋桜という曲はいつから知っているのか、正直覚えていません。
ですが、気が付けば出だしとサビのメロディーラインを口ずさめる程度には覚えていました。
ネタとして強烈に曲と歌手が紐づいたのは15年ほど前です。
当時はニコニコ動画が全盛期。
ランキングの中に「DJ羅王のにこにこラジオ剛掌波」という動画がありました。
当時、友人から消化されそれを見てゲラゲラ笑っていたのを覚えています。
その中で何度か秋桜のことが出ていたので覚えています。


去年、2歳になった子供の散歩で公園を訪れた時に、秋桜がとてもきれいに咲いていました。
昔から秋になるとあちらこちらで見ていましたが、こんなにも注目してみたのは久しぶりでした。
その思い出を持ち、今年の秋桜を見た時に山口百恵秋桜を思い出しました。

 

私はそもそもアイドルに興味がなく、モーニング娘やAKBグループなどと言ったアイドル楽曲を聞くことはなかったです。
ヒットしているため、身の回りの環境から聞くことはありました。その程度です。
ゆえに実際に聞いたこともないですし、山口百恵なんて名前以外知りません。
そして楽曲を聞いた見たら衝撃が走りました。
なんて上手いんだ。それこそ現代のアイドルよりも上手いかもしれないと思いました。
(現代と当時では売り方・伸ばす部分が違うというのもあるでしょうが)

 


そして何より歌詞が凄い。

--------------
薄紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽だまりに揺れている
此の頃涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする

 

縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話繰り返す
独り言みたいに小さな声で

 

こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが浸みてくる
明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと笑った

 

あれこれと思い出をたどったら
いつの日も一人ではなかったと
今更乍ら我儘な私に
唇かんでいます

 

明日への荷造りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙溢し元気でと
何度も何度も繰り返す母

 

ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もう少しあなたの子供で
いさせてください

--------------
すごくないですか?
親でこれ聞いたら泣いちゃいそう。

 

ただ、最初に歌詞を聞いた時に「母はボケたのか?」と思ってしまった。
縁側でひとつ咳をする・・・・縁側でボーっとする時間が増えた?
縁側でアルバムを開いては・・・・同上
私の幼い日の思い出を何度も同じ話繰り返す独り言みたいに小さな声で・・・・え?ボケた!?
と思ってしまいました。

 

2番の”涙ながら元気でと繰り返す”で違うなと思えましたけどw

 

で、ですよ。
この歌が私に刺さったのか。という話です。
私はこの曲の歌詞をしっかり読んだとき、妻と義母を想像しました。
義母はとても感情豊かな方です。
妻が私と結婚する前か、留学で日本に訪れる前かに私と話をしていた時のことです。

 

妻がエストニアにいるときはエストニア語かロシア語です。
私たちの会話は日本語で行っています。

 

なので、義理の家族にとって、エストニア語かロシア語が共通言語です。
しかし、私と話をしているときは日本語なので、義理の家族にとっては聞き馴染みのない言語。
妻が学んでいることは当然知っていますし、日本人と流暢に会話できることを知っているでしょう。
しかし、義理の家族にとっては、妻が何を言っているかわからない言語で誰かと話している。
それはまるで違う世界に、遠くへ行ってしまうことを彷彿とさせるには十分だったのでしょう。
なので義母は妻に向かい
「ああ、まるであなたが遥か遠い場所に行ってしまうようだわ」
「もしかしたら帰ってこないのではないか。と心配してしまうわ」
と涙ながらに話していました。

 

その瞬間を私は覚えています。
なので2番の歌詞が母親の目線でも再現され、非常に刺さる歌詞だと感じたのです。
そしてきっといつの日か私もこの歌詞の母のように子供にそのような思いを抱くのでしょう。