妻が我が子を出産した翌日の話
私は朝から出かけた。
前日に病院から受け取った出生届を、その後子供の医療限度額の申請を行うために市役所に赴いた。
会社に出産の報告と育児休暇の開始の連絡を行う。
再度病院に向かい、我が子を見に行き、触れ合った。
この時は我が子とも妻とも会うことができる機会なので道中も楽しめた。
妻が初めてのおむつ替えを、そして見うる区をあげた。
おっかなびっくりしながらゲップまで行った。
ゲップをするために背中を叩く、それだけでつぶれてしまいそうなくらい赤ん坊の体というのは小さく華奢に思えた。
子供の方はミルクをゆっくりと飲んでいた。わずか60mlほどのミルクを飲むために10,20分と時間をかけて飲み、
飲み切る前に寝てしまい、おこしながら、長い時間をかけてあげた。
私が飲んだら一口で口に入る量だというのに。。。
妻は飲まない我が子に今まで聞いたこともないような甘く、柔らかい優しい声で子供に声をかけていた。
隣にいた私には聞いたこともない声で、光景で、どこか他人のような不思議で新鮮な景色だった。
愛する人と、保護する産んだ子への愛情はやはり違うもので”母性”というのだろうモノを目の当たりにした。
その日の午後と翌日、NICUの子供は他の子と同等の量を飲み始めた。
医者の見立てでは出産時に大きなストレスを受けた影響でのみが悪かったようだ。
出産のストレスも少しずつ回復してきているのでNICUからの退院もすぐだろうとのことだった。
また、その後検査が行われ、問題ないと説明を受けた。