みんな大好き幸福で自由度の高い北欧圏で暮らした感想

こんにちは。
年に2,3回はTwitterで話題に出てくる「北欧は豊かな国。日本はダメ」論調。
これに対して北欧で3か月ほど生活したことのある人間が書いていこうと思います。

【前提】
・生活した国はエストニア(国連の括りで北欧。所謂バルト三国の1つ)
・生活した期間は9~12月
エストニア以外の北欧の国々は未踏の為、実際は不明
・仕事をしたわけではないので、仕事については不明

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【北欧(エストニア)の良いと思うところ】
・広さ
エストニアに到着し、最初にすごいと感じたことは広さです。
国土は九州程度の中に、さいたま市(130万人)程度の人口が暮らしています。
首都のタリンは岐阜市(40万人)程度が暮らしています。
そのため、人口密度が低いのです。
日本のように国土の7割が山野ではなく、全て平坦な土地なので余計に人は分散しているように感じます。
ゆえに土地をふんだんに使用し、大通りは広く3車線、バス停の為に停車場があり、5m程の歩道に屋根付きのバス停があったりましす。
住宅も集合住宅も建物の距離が広く、「窓を開けたら隣の家の部屋の中が見える」というようなことは起こりません。
だって10m以上離れているんですもの(場所による)
ちなみに、住宅地に並ぶアパートは旧ソビエトの風景が残ります(1980年代のものが多いらしい)。
しかし外観はきれいなので情緒を残すといった感じでしょうか。

住宅地においての空間の広さは生活するうえでとても良いと思います。

※旧市街などの古い町は住宅の距離が近いです。


・首都における交通の高利便性
人口が少ないこと、都市規模が小さいが故の便利さといってもよいでしょう。
バス、トラム、トロリーバス、電車、自家用車と移動手段は多くあります。
また、中心部では多くの路線が乗り入れていて各方面へ容易に移動できます。
中心地を少し離れた市内でも、バス停は複数路線あり、また10分も待てば乗ることが出来ます。
主要な場所も1度乗り換えれば、ほとんど行くことが出来るため市内移動は容易です。


・街の規模が小さいが故に見どころが近く、移動も容易
タリン市内で言うと、東はPirita 教会跡地、西はタリン動物園と見どころは広がっていますが、10㎞程なので距離としては近いです。
バスなどをうまく使えば、様々な景色とともにタリン市内を楽しめるでしょう。
また、タリン市内は先述の通り、バスが多くあるため商業施設や旧市街などの観光名所に簡単に行くことができるでしょう。


・幹線道路(高速道路)の車線が多く、信号ではなく合流を用いるため渋滞は少ない印象
もちろん場所によりますが、幹線道路への侵入は(幹線道路同士でない限り)多くが合流になっています。
そのため交差点のサイズは大きくなってしまいますが、東京で言う環七、環八の渋滞のようなものはあまり見ません。
主要な道路は3車線になっており、移動する車両数に対して余裕を持っているようです。
とはいえ、混むときは混みます。でもイライラするくらい進まないということはありません。


・物価の安さ
全ての商品がそうではないですが、ドン・キホーテ業務スーパーなどのディスカウントストアで買うような価格です。
価格が同じなのはコカ・コーラですねw


・街の景観
よく言われるのが旧市街の景色です。「おとぎ話の世界のようだ」と称されます。
雪化粧した旧市街はまさに物語の世界のような幻想的な風景になります。
そして夏は道に照らすが出来、外で楽しくお酒を飲んでいる人を見かけます。

旧市街から少し離れたKesklinnあたりは、ヨーロッパのアパート感があり重厚とした雰囲気を醸し出します。
また更に離れた(映画TENETのロケ地になった)辺りでは1980年代に建てられた建物が多くあり、所謂ソビエトのアパート群を存分に楽しめることが出来るでしょう。
私はこの景色の移ろいに毎度感動します。
中世からソビエトまで、そして少しずつ現代の建物も増え時代を多く見ることが出来ます。


・大体のことはwebでできる
これは仕事をしたり、エストニア人にとってと言えることでしょう。
例えばネット投票で選挙に参加できます。
市役所の手続きなどもWebで行えます。
便利なようです。


・ショップで店員がぐいぐい来ない
ショップに入ると「Tere(こんにちは)」以上のことを言いません。
「何かお探しですか?」「これなんかどうでしょう?」と謎のおすすめもしてきません。
静かにゆったりと買い物できます。


・休日のスローライフ
私が滞在した家では休日は実にスローライフでした。
土曜日は家の掃除や庭をいじり、ティータイムをして自由時間、また家の仕事やご飯を食べ、自由時間やティータイムでおしゃべり、晩御飯の後はサウナに入り一日が終わる。
日曜日も同じような感じです。
とにかくスローライフ。日本で休日に都内で過ごすときの忙しなさがここには何もありません。


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【良いとは思えないところ】
・規模が小さい
エストニアは人口130万人程度しかいないため、とにかく規模が小さいです。
日本の郊外にある大型複合施設(イオンやセブン系列のショッピングモールなど)が首都に数件あるくらいです。


・選択肢が少ない
スーパーマーケットが4社くらいが強く、あとは地域の商店くらいです。
複合施設に行けば、世界的なブランドは購入可能ですが、池袋や新宿や渋谷のように多くの独自ブランドが並ぶわけではないです。
それなりの選択肢はもちろんありますが、日本と比較したときに面白みのあるものを求めると探すのは困難かと思います。
それこそ、渋谷のギャルっぽい物、原宿の独自文化感は見た記憶がないです。


・「何もない」を愛せない人には多分無理
郊外なんか特に何もないです。
私が滞在した場所では、徒歩圏内に買い物できる場所はありません。
4㎞先にやっているのか不明な商店があり、10㎞ほど先に小さな商店(コンビニくらいの規模)があるだけです。
娯楽施設?競技場?10㎞先に行けばあるのでは???
郊外に住む場合、休日は庭や家の手入れをし、のんびりとお茶を飲んで過ごす事を受け入れられない人は無理だと思います。
日本の田舎でもそうですよね。
※どのような郊外に住むかによって変わります。


・郊外は完全な車社会
バスが主流の公共交通の為、どの町にもバス停はあります。
私の滞在した場所では2㎞先に30分に1本間隔でバスが来ます。
どこに行くのかは乗ったことないのでわかりません。
そのため、完全な車社会です。
ああ、北海道のようです。
風景もまっ平で、道はまっすぐで、白樺や北部の楓のような木が生え、牧草があったりします。

 

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とはいえ、それぞれの国でよい悪いがあるという事です