妻との交際を語ろうと思う

【妻は私と季節を歩く】
私は妻と交際を始めた。
交際があってもなくても、妻が日本に留学している間は色々な場所に連れて行こうと思っていた。
できるだけ季節のモノを感じてほしかった。

 

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エストニアは日本と違い、夏は乾燥し、冬は日照時間が兎に角短い。
12月は9時ごろに明るくなり、15時には夕闇が辺りを覆う。
平均気温も低く、所謂北欧と呼ばれる。
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欧州と日本での植生の違い、自然の違い、食べ物の違い、
生活の違い、建物の違い、文化の違いetc
兎に角色々な物を知ってほしかった。
例えば、
秋に紅葉を見に行った。
冬に夜景を見に行った。
年始の親族の集まりに行って正月感を感じてもらった。
春に桜を見に行った。
夏は海岸に行って海に足をつけた。

季節の移ろいがとても楽しみだった。

 


【私達の付き合い方】
妻は留学中の為、平日は学校がある。
私は土曜日以外の週6日で仕事がある。
できるだけ外出の時間を確保する為、金曜日の仕事後に迎えに行った。
仕事は朝早く、夜も遅かった。
なかなか大変ではあったが、毎週末が楽しみだった。

交際を始めた時、私は20代後半だった。
そのため交際は真面目にしようと考えていた。
「好きだから」だけでの交際はしたくなかった。

 

私は妻に、
「私は真面目に付き合おうと思う。それこそあなたと結婚するつもりで付き合いたい。」
「だからあなたも日本にいる期間、私と結婚してもよいと思えるか。私と結婚観や結婚後のイメージを持ってほしい」
「合わないと思ったら別れよう。それくらい真面目に付き合いたい」
そんな感じの事を妻に言ったと思う。

結論を言えば、妻は真面目な人だったので、伝えて正解だったように思う。
私達は結婚を前提にした交際をした。

 


【友に話し、放された箸】
妻と私には共通の友人がいる。
そこまで大きな界隈ではないので、それぞれで繋がっているという事は起こる。
私達の場合もそうだった。

 

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私の場合は、みのりんの独立後、NEO FANTASIAツアーの東京公演で知り合ったと思う。
その翌年、河口湖で改めて話をした。
河口湖では私一人と友人、それに加えて数年後には大事な友人となる一人ともこの時に会った(気がする)
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妻の滞在先の近くにその友人は暮らしていた。
隣の駅とかそれくらいの近さだった。
妻と友人は都合を合わせ、晩御飯の約束をした。
それは金曜日だった。
私が迎えに行く日だった。

前もって私が行く旨をその友人には伝えていたと思う(当日だったかもしれない)
しかし友人は「なんでこいつがいるんだ?」と思っていたと後日言っていたと思う。

食事をしながら妻は友人に伝えた「私達、付き合ってます」と。
きょとんとした友人は合点がいった顔をした。

 

冬か春頃だったと思う。

 

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これはInocent Ageツアーの頃。
私と妻はIAツアーの横浜に参加した。
その頃、河口湖で会った友人達が話していた話を後日聞いた事。
「ナミちゃん(妻のこと)に彼氏いるんだって」
「は?マジかよ。許せねえ、誰だ私らのナミちゃんに手を出したやつは」
「びふだよ」
「あいつじゃしょうがない」
僕の当時の評価はどんなだったのでしょうか・・・
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【妻は私とこれからを歩くと誓う】
IAツアーを終えた。
留学期間の最後の季節である夏が来た。
妻が留学を終えて国に帰るまで2ヶ月を切った。
私はプロポーズしようと妻のもとへ赴いた。

 

私達は彼氏彼女から婚約者になった。


最後の夏、私達は河口湖へ向かった。
妻は「河口湖のライブに参加したかった。ニコ生で見ていて、映像で見ていて楽しそうだった」と少しはしゃいでいた。
私は別の意味ではしゃいでいた。

 

 

【妻は私と河口湖を歩く】

これは私のツイッターで呟いたことがあるが
河口湖のライブであるSummer Dream 4(2016)での話。
MCの一端で「IAは恋の出会いと成就のアルバム。このツアー期間中に2人の関係が変わった人はいるだろうか」
という問いかけに2組のファンが反応した。
「結婚した」と反応した女性。
会場はおめでとうの反応と拍手。
私は隣で参加していた妻に聞いた
「私達のこと言っても良いだろうか」
「言いたいならどうぞ・・・」
物販で手に入れた紙製の麦わら帽子をかぶり、上目遣いをした顔はとてもかわいかった。
「婚約しました!!」私は叫んだ。
「え?結婚?」聞き返すみのりん
「婚約です!」と再度叫び二人をアピールした。
「おめでとう!!」みのりんの声と会場の拍手は、私達には最上の祝福の一つだった。
その後、アンコールで1番サビを歌う時に私達に気が付いた。
丁度1階の一番後ろの席だった。アンコールでは通路を使用してトロッコからの披露だった。
なのでトロッコに乗ったみのりんは気が付いた。
サビ後に改めておめでとうと言われた。
その時のみのりんの顔を忘れることはないだろう。
それ以上に、「また言ってもらえた!」とはしゃぐ妻の笑顔の方が眩しかった。
ライブもそっちのけで、人目もはばからず抱きしめたくなるような想いが湧き出た。


そうして多くの思い出を残して妻が過ごす留学期間が終わる。

 


8月の最後の日。
留学期間を終え、妻は残りの大学の卒業の為に帰国した。
私達は少しの間、離れ離れになった。